PART3 第3回目
インボイス発行事業者に登録していない事業者からの 仕入れについての経過措置

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前回の大工Aさんと大工Bさんに、もう一度登場していただきましょう。
令和5年9月30日までは、建設会社は大工さんへの発注も大工Bさんへの発注も、まったく同じ扱いとなります。しかし、令和5年10月1日から突然、大工Aさんへの発注分だけ仕入税額控除ができなくなったら、建設会社にとっては大きな負担です。
このような急激な負担増をできるだけ和らげて、新しい制度へスムーズに移れるよう設けらえているのが経過措置です。
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① 令和5年9月30日までは免税事業者からの仕入れであっても仕入税額控除できる!
令和5年9月30日までは、発注元の建設会社は、大工Aさんが免税事業者か課税事業者か、知りようがありません。
そのため、大工Aさんへの支払総額330万円は、本体が300万円、消費税が30万円と考えて、30万円について仕入税額控除できます。

② 令和5年10月1日から令和8年9月30日までは80%控除の経過措置
大工Aさんからの請求書には、登録番号が書かれていません。国税庁のホームページを検索することでも、大工Aさんがインボイス発行事業者でないことがわかります。
ただし、経過措置として、建設会社は、大工Aさんへ支払った消費税30万円の80%(24万円)を仕入税額控除できます。

③ 令和8年10月1日から令和11年9月30日までは50%控除の経過措置
建設会社は、大工Aさんへ支払った消費税30万円の50%(15万円)を仕入税額控除できます。
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大工Aさんが令和5年10月1日以後に作成する請求書の記載事項は、令和5年9月30日までの請求書(区分記載請求書)と同じです。

次回は・・・

免税事業者がインボイス発行事業者になるときの期間限定の特例について解説します!
※記載内容は、令和5年6月1日現在の法令に基づいています。
また、このウェブサイトで使用される「消費税」という用語には、消費税および地方消費税が含まれています。